こんにちは、よろずやです!
今回は「就業規則×副業」を“会社に怒られない”視点でギュッと整理します。法令やガイドラインの要点を踏まえ、現場で通る動き方に落とし込みました(詳細は末尾の参考リンクへ)。
🧭 ゴール
- 自社の就業規則のどこを見れば良いかが分かる
- 届出/許可、競合・守秘・労働時間のNGラインを把握できる
- 懲戒やトラブルを避ける“社内の歩き方”が分かる
🔎 まず就業規則の“読み方”
チェック箇所は①副業・兼業の章、②服務規律(守秘・競合・名誉毀損)、③懲戒事由、④情報セキュリティ。
「原則禁止」でも、最新のモデル就業規則は“届出制+一定の禁止・制限事由”が主流。自社がどの型かをまず特定しましょう。
🧾 届出か許可か—現実解
- 届出制:内容・時間・場所・報酬を記載して提出。更新は四半期〜半期が無難。
- 許可制:雇用型や高額・継続案件は審査が丁寧。非競合/休日限定/小規模から始めると通りやすい。
いずれも「業務影響なし」「情報持ち出しなし」「連絡可能」を明記し、書面や社内ツールで記録を残すのがコツ。
🚫 会社が止められる主な理由
- 労務提供に支障(遅刻・中抜け・成果低下)
- 企業秘密の漏えいリスク(顧客名簿・設計・コード・提示資料等)
- 会社の名誉・信用毀損(炎上系発信、社名の無断利用)
- 競業(同業での営業・制作・コンサル等、利益相反)
🕒 労働時間と健康(通算の壁)
雇用型の副業は本業と通算され、法定時間外は割増・36協定の枠組みが絡みます。深夜・連勤は安全配慮の観点でNGになりやすい。睡眠確保・週の総拘束の見える化は双方の安心材料。
🔐 情報と成果物の線引き
社有PC・アカウント・社内テンプレの流用禁止。生成AIに社内情報を投入する行為も守秘の観点で要注意。副業の成果物は私物環境・私費ライセンスで作るのが基本。
🛠 最短フロー(これだけでOK!3ステップ)
- 就業規則を精読:副業条項/服務規律/懲戒/情報セキュリティ
- 企画を“非競合・低負荷・透明”に設計:時間帯、ツール、連絡体制を明文化
- 届出(or 許可)提出:目的・内容・時間・報酬・開始日、遵守事項を一枚で提示(更新ルールも添える)
⚠ よくあるNG
・「個人事業だから競合じゃない」→事業領域で判断されます
・「20時以降なら大丈夫」→通算で長時間化なら不可
・「社外公開資料はOKでしょ」→再編集・再配布は別問題
・「社名を肩書に入れる」→広報ポリシーに反しがち
📌 まとめ(チェックリスト)
□規則の型(禁止/許可/届出)を特定した
□非競合・非社有・非勤務時間で設計した
□通算時間と睡眠を確保、体調ログをつける
□届出書は“更新日”まで含めて提出
□記録は全て残し、変更時は速やかに再届出
▶ 次回予告|【副業の教科書⑥】“儲け話”にはウラがある!副業詐欺の見抜き方
「高額教材」「在宅で月◯万円」などの典型パターンと見抜きのチェックリストを用意します。
出典・参考
副業・兼業(特設ページ・最新パンフ等のハブ)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192188.html
副業・兼業の促進に関するガイドライン(PDF・最新版系)
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000996750.pdf
副業・兼業の促進に関するガイドライン(別版PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000962665.pdf
モデル就業規則の改定案(副業・兼業部分)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000188623.pdf
モデル就業規則 第14章「副業・兼業」
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000204089.pdf
副業・兼業時の労働時間の通算のポイント(パンフ)
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001079956.pdf
副業・兼業の場合の労働時間管理について(解説資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000653603.pdf
副業・兼業の促進に関するガイドライン(案・参考)
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/0000189307.pdf
※本記事は2025年9月時点の一般的な情報です。最終判断は必ず自社規程と最新の公的資料でご確認ください。